「人類は、自然界には存在しなかった『数』を発明したと言われている。
数を数えられるようになり、昨日や明日、10日後などの日数の区別がつき、人はついに『時間』を認識するようになった。
今回の OCTO デザインでは、この根源的な『数』をモチーフに、私がいつも作品で使用する7セグメントのデジタル数字を文字盤に配置した。この7セグメントのデジタル数字は、7つのパーツ1組でありながら、しかも、1-9までの全ての数字を表現できる。
今回、自動巻きモデルでは、そのデジタル数字をブラックとグレーの地の上に、型押ししてある。見る人が様々に変化する数字を自由に連想できるように特定の数字や色に言及せず、数字の型のみを表した。また、ミニッツリピーターモデルでは、文字盤をデジタル数字で切り抜き、中のムーブメントを覗き見えるようにしてある。時計のメカニックとデジタル数字とのダイレクトな関係性から変化する数字を連想してもらいたい。いずれにしても、これら『7セグメントのデジタル数字』と『時』の関係に思いを馳せ『腕にある無限の時間』を感じてもらいたい 」
宮島達男